「クリスマス」は日本のイベントの中でも老若男女に知れ渡ったイベントだ。食卓にはいつもと違う豪華な食事が並ぶことが多いだろう。
そんなクリスマスの食事の中で定番と言われているのが「七面鳥」だ。元々欧米のクリスマスの食卓には七面鳥が並ぶことが多いだけに、テレビや映画などで七面鳥の丸焼きが食卓に並んでいる光景も目にした方も多いだろう。
しかしながらクリスマスに七面鳥を食べる風景はあまり見られないように思える。どちらかというとフライドチキンを食べる方が多いようだ。なぜ日本では七面鳥をあまり食べないのだろうか。
今回は欧米でクリスマスに七面鳥を食べる理由。また日本で七面鳥をあまり好んで食べられない理由について紹介する。
クリスマスに七面鳥を食べる理由は?
欧米のクリスマスで食卓に並んでいるイメージがある「七面鳥」。クリスマスに七面鳥を食べるのは宗教上の理由ではなくとある出来ごとが関係している。
17世紀、アメリカに移住してきたイギリスの移民たちは厳しい冬の寒さに耐えられず多数の死者を出した。
そんな中助けを差し伸べたのがアメリカに住んでいた先住民の人々だった。彼らはトウモロコシなどのアメリカでの作物の栽培知識などを教授し、移民たちは生き延びることができた。
そして翌年の秋、特に実りの多かった秋に神の恵みに感謝して移民と先住民は共にご馳走を頂いた。これがアメリカで11月の第四木曜日に現在でも祝日として指定されている「感謝祭」の由来と言われている。
この「感謝祭」の際に頂く御馳走の中に「七面鳥」があったことから、現在でも七面鳥はお祝いなどのめでたい日に頂くものとして欧米で食されているものとされている。
日本で七面鳥があまり食べられない理由は?
そんな欧米で食されている「七面鳥」だが日本ではクリスマスでもあまり食されるイメージはない。どちらかというとケンタッキーなどのフライドチキンを食す文化のほうが浸透しているように思える。なぜ日本では七面鳥を食さないのだろうか。
日本では七面鳥自体が入手困難
アメリカでは七面鳥は比較的手に入りやすいものだが、日本で七面鳥は生息していない。
そのためクリスマスに七面鳥を食す文化も日本に知れ渡ったが、七面鳥を入手しづらいため広まらなかったのが一つの理由と考えられている。七面鳥が日本で飼育しづらいのは設備投資の面でニワトリよりも経費がかかること、鳴き声が独特でうるさいため日本のような土地が狭い国では飼育しづらいといった理由もある。
七面鳥を焼くオーブンがない
七面鳥を焼くためには七面鳥が丸々入るぐらいの大きいオーブンが必要となる。海外ではホームパーティを開く文化があるため、1世帯に大きいオーブンが置いてあり大きい肉を家庭で食べるという文化が浸透している。
しかしながら日本にはそのような文化がないため、大型のオーブンがある家庭のほうが少ない。そのため調理にオーブンが必要な七面鳥も食べられないというのが理由として挙げられる。
ケンタッキーフライドチキンの存在
日本でクリスマスといったら「ケンタッキーフライドチキン」を思い浮かべる方も多いだろう。
なぜ日本では七面鳥ではなくケンタッキーフライドチキンなのか。
それは1970年代に日本に住む外国人の方が「日本では七面鳥が入手できないので、代わりにケンタッキーのチキンでクリスマスを祝おう。」と発言したことから、ケンタッキーで1974年からクリスマスに向けたキャンペーンが開始されたことが始まりとされる。
以降、クリスマスといえばケンタッキーといった文化が生まれたとされる。海外では七面鳥を食べる文化が浸透していることから日本でクリスマスにケンタッキーを食べる文化は逆に異質に思われているようで、不思議がる人もいるとか。
まとめ
今回はクリスマスに七面鳥を食す理由、そして日本で七面鳥があまり食されない理由について紹介した。
日本では七面鳥をあまり食されないが、この時だけスーパーに七面鳥が並ぶ光景を見る人は多いだろう。一年に一度の食すタイミングなだけに、家族や友達と七面鳥を食べてみるのも良いのではないだろうか。